■ノーウッド・グレン手術/左心低形成症候群について その7
@大動脈弓の形成(ノーウッド型手術)
動脈管を切除。肺動脈もまた切断し、2mmしかない湖白の大動脈に縫い込む。このとき、大動脈狭窄の前後も切除、縫合した。(ノーウッド型手術<その4>参照

A心房中隔切除(ノーウッド型手術)
肺から戻ってきた酸素を多く含んだ血液が左心房から右心房へ流れ込むには、心房中隔の穴が小さいと抵抗が生まれ、上大静脈(グレン手術後)→肺動脈→肺→左心房→右心房への循環が詰まってくる状態となり、体と肺に流れる血液循環のバランスを崩すことになる。そのため、心房中隔を現在でできる限り大きく切除し、大きな穴を確保する手術を行う。心臓に直接メスが入るのは、今回この手術の為のみ。

Bバンディング解除
1度目の手術である両側肺動脈拘束(バンディング)手術で肺動脈に縛ったバンディング部分の解除を行う。グレン手術後は上半身から戻ってくる上大静脈の血流に肺動脈が耐えなければならない。グレン手術が生後3,4ヶ月とされているのは、それまでは肺動脈が育っていないため、上大静脈の血流に耐えられないからだそうだ。肺動脈の流れを良くするために今まで必要だったバンディングで作られた抵抗は、今度はあってはならないものとなる。(両側肺動脈拘扼手術<その5>参照

Cグレン手術
上大静脈を肺動脈へ直結させ、上半身から戻ってきた血液を心臓を介さずに、直接肺へ流し込むための手術。肺と肺動脈が育っていることが手術の条件にもあげられる。現時点でグレン手術後、こども病院では3〜6ヶ月程度の期間酸素吸入を義務づけているとのこと。
グレン手術とこの後のフォンタン手術は、左心低形成症候群以外の病気の最終形になることもあるようだ。

ノーウッド・グレン手術はノーウッド型手術のなかで行われる工程をひとつ省ける。それは、右心室から肺動脈への人工血管を使用したバイパス手術。ノーウッド・グレン手術は単純に「ノーウッド型手術」+「グレン手術」というわけではないようだ。
前のページ ||7|1011| 次のページ
*上記はあくまで湖白の父である私が理解した内容であり、実際と異なる場合もありますのでその場合ご了承ください。
*画像の原画は「A New Way to Reshape the Heart」より抜粋させていただいたものに修正および説明を加えたものです。